2019年12月28日、久米川駅南口の洋風居酒屋
「いろはにほ」が閉店し、翌29日には同じく久米川駅南口の居酒屋
「サラリーマン久米川店」が閉店した。
「いろはにほ」は36年、
「サラリーマン久米川店」は45年、この場所で頑張ってきたお店だ。
「閉店するお店が多い年だったけど、老舗の閉店が年の終わりに相次いだのは本当に寂しいなぁ」と思いつつ、年明けの1月4日、私は
「2020ほぼ週刊東村山グルメニュース vol.1」という記事を書いた。すると、その日の午後3時に
おしむさんという読者の方からこんなコメントが寄せられた。
「揚子江も閉店みたいですよ!」 私がコメントを読んだのは、ブラブラと美住町や富士見町あたりを散歩して戻ってきた夕方5時半すぎのこと。
「すぐに確認しなきゃ」と思い、急いで着替えて、久米川駅北口は野火止通り沿いにある中華料理店
「揚子江」に向かった。

もう外は暗くなっていたが、街灯に照らされたシャッターには貼り紙が! 年明けの営業告知の貼り紙であるようにと願いつつ、近づくと……。
やっぱり、閉店ですか… しかも12月31日に閉店したようだ。年末年始の休みに入っていたから、知っていれば行けたのに……いやあ、ショック。本当にショック。どうして気が付かなかったんだろう。
去年の7月に「冷やし中華」を食べた時、「まだ大丈夫でしょ?」と聞いたら、お父さんとお母さんが同時に、
「そんなのわからないよ」と笑いながら答えてくれたんだよね。元気な声で。
だから「まだ大丈夫」って勝手に思い込んじゃったんだな。
改めてマジマジとの閉店の貼り紙を見て、「おや?」と思った。
どうして「12」と「31」は書き文字なんだろう? ひょっとすると、この用紙はかなり以前から用意していたのかもしれない。あとは日付を書き込むだけというスタイルで。
ある時期から、常に閉店を考えながら営業していたんだね。もしかすると、私が「冷やし中華」を食べに行ったあの日には、もう「いつか」に備えてこの用紙を用意していたのかもしれない。
そう思うと、余計に悲しくなってくる。
「東村山グルメ日記」の
ツイッターと
フェイスブックページには、確認したその日のうちに
「揚子江」の閉店情報を書いたのだが、このブログにはほかの情報がたまったら「2020ほぼ週刊東村山グルメニュース」に書こう思っていた。でも、このお店、個人的に思い入れがあるんだよね。
何てったって、15年前のこのお店の外観は凄かったからね。

この外観ですよ。そして外にはペタペタと、
「納得のボリュウム ジャイアントラーメン 510円」という貼り紙が4カ所も出ていたんだから。ちょっと怪し過ぎるでしょ(笑)。15年前は今みたいにネット情報がないから、入るのに勇気がかなり必要だったけど、意外と旨かったんだよなぁ。

これが15年前に食べた「ジャイアントラーメン」。丼が大きいから、少ないように見えるけど、麺はシッカリ2玉入っている。
私が初めてこのお店に入ったのは15年前の2005年なんだけど、このお店がオープンしたのは、1973年のこと。すでに2005年の時点でオープンから32年経っているワケだ。そりゃテント屋根もボロボロになるよね。
「だったら直せばいいじゃない。見た目で損しているんだから」と私も思っていたけど、今思えば、この当時からお父さんとお母さんは閉店を意識していたようだ。だから直さなかったんだよね。
それが2009年に……。

テント屋根が新しくなり、暖簾までキレイになった。
この時に私はお父さんとお母さんに、「どうして今まであんなボロボロのテントで営業していたんですか?」と聞いてみた。するとこんな答えが返ってきた。
「それはね、このお店のお客さんの9割近くは出前だから、あんまりお店のことを気にしなくなっちゃったのよ。それに『もうやめようか』とも思っていたし……」 それがどうしてテント屋根を新しくして続ける気になったかと言うと、お店をやめることを子どもが反対したからなのだという。お子さんはお店は継がないとのことだが、おそらくお店がお父さん、お母さんの生きがい・やりがいになっていると感じたんだろうなぁ。
「じゃあ、もう少し頑張ってみようかということで、暖簾とテントを変えたんだよ」とちょっと照れ臭そうに話していたお父さんの表情を今も覚えている。
あれから11年……そう考えたら、十分頑張ったと言えるかもしれない。1973年オープンだから、本当なら今年で47周年だったんだね。

ああ、でも最後にあの生姜の効いた日本人向けの独特な「麻婆豆腐」を食べたかったなぁ。「ジャイアントラーメン」ももう一度食べたかったなぁ。
閉店は寂しいけど、お父さんとお母さん、どちらかが健康を害してやめたワケではないみたいなので、ちょっとホッとしている。
2015年12月末に閉店した久米川駅南口のうなぎ店
「はや幸」の女将さんは、閉店後、こう話してくれた。
「もう本当に体力の限界。お父さんも75歳だから。元気なうちにやめないと、行きたい旅行にも行けなくなっちゃうしね」 元気なうちにやめるというのは、個人店の場合、ある意味、正しい選択なのかもしれない。
お父さん、お母さん、今まで美味しい料理をありがとうございました。これからは元気で、のんぴりと過ごしてください。
【DATA】住所:東村山市萩山町5-2-5
電話:042-394-3525
営業時間:午前10時30分~午後3時/午後4時30分~8時
店内禁煙
★お店や料理に関する記述は、訪問時における管理人・マサ本人の主観によるものであり、誰が行っても同じ印象を抱くとは限りません。またお店のDATAは取材当時のモノであり、変わっている可能性があります。
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小さい頃、良く食べに行ったり
出前も取って食べてたのを思い出しました。
ただ最近まであったとは
知りませんでした。。