東村山グルメ日記2

志村けんさんでおなじみの東京都東村山市に限定したグルメ情報サイト

このお店だけのオリジナルメニューで惜別

 このブログの読者からこんな情報をいただいた。

「東村山駅前のグリム館が12月いっぱいで閉店してしまうみたいです」

「エッ!」と絶句して一瞬パソコンの前で固まってしまった。
 東村山駅東口には以前、チェーン系の喫茶店「シャノアール東村山店」があったのだが、2013年に閉店。東村山駅構内にあった「珈琲館」系のカフェ「CAFE DI ESPRESSO」も今年7月末に閉店し、東村山駅近くで待ち合わせや打ち合わせのできる喫茶店は、東口にあるカフェレストラン「グリム館」と、喫茶店「ゆ~もあ」の2店だけになってしまった。その内の1つである「グリム館」が閉店するというのだ。私は、にわかには信じられなかった。
 駅前の貴重なカフェであるし、料理も旨いから、営業不振で閉店ということは考えられない。何かの間違いじゃないのかなぁ……そう思いつつ、私は確認のため、「グリム館」に向かった。

グリム館

 いつもと変わらない感じで、お客さんも入っているように見える。

入り口階段近くにあるメニュー紹介のショーケースに貼り紙はない

 2階へ上る階段近くにあるメニューを紹介してあるショーケースを見ても、閉店の告知は貼られていない。

2階の入り口にも貼り紙はナシ

 トントントンと階段を上がって、入り口の前に立っても、貼り紙はナシ。
 何だ、入り口にも貼ってないってことは、閉店しないってことかな。いやあ、ホッとした。ホッとしたらお腹が空いてきたから、久しぶりにこのお店の「カレーライス」(625円)でも食べようかなぁ。絶品なんだよなぁ、このお店の「カレーライス」(記事はこちら)。

 お店に入り、空いている禁煙テーブル席に座ると、私は念のため店内を見回してみた。すると……。

店内のレジ横の壁に告知の貼り紙が!

エエッ! (゚д゚lll) やっぱり閉店なの!!

 レジ横の壁に「12月30日をもって閉店する事となりました」と書かれた貼り紙が!
 信じたくない気持ちが強いモノだから、ここでも絶句してしまった。
 うーん、改めて惜別メニューを何にしようかと思った私。このお店の「カレーライス」はほかでは味わえない旨さがあるから、やっぱり初志貫徹で「カレーライス」にしようかな、と思いつつ、メニューをめくっていると……。

「東村山黒焼そばソース」を使ったオリジナルメニュー

 おっ、「東村山黒焼そばソース」を使ったメニューか。これは食べたことなかったなぁ。

 と、そこへ「お決まりになりましたか」と店員さん。「閉店するなんて、急ですねぇ」と話すと、「私も驚いてますし、残念です。この場所で30年以上も頑張ってきたお店ですから」と店員さんもとても残念そう。
 30年以上かぁ。そう言えば、私がこのお店の「カレーライス」を食べるキッカケは、「30周年感謝フェア」ということで通常より安かったからなんだよね。あの時が2009年だったから、今年は39周年だったんだ。あと1年で40周年だったのになぁ。

「そうなんですか。料理も美味しかったのに…」と私が残念そうな顔をすると、「でもシェフは小川店に移りますので、そちらに行けばここと同じ味が楽しめます」と店員さんは慰めてくれたが、私が開いているメニューを見て、「あっ、だけどこのメニューは東村山店だけのメニューだから、小川店では食べられないと思います」と話してくれた。

 なるほど。まあ、そりゃそうだよね。「東村山黒焼そばソース」を使ったメニューだからね。ならば、惜別メニューはここから選びますか。私は「カレーライス」を食べたい気分だったので迷わず、「黒カレー」(725円)を注文した。

これが「黒カレー」

 しばらくして運ばれて来た、来た。これが「黒カレー」。スパイシーな香りがしていいねぇ。

ニンジンも角が丸くなっていて、よく煮込まれていることがわかる

「カレーライス」もそうなんだけど、具材がよく煮込まれていて、ほとんど形がない。ゴロッとしているのは色からニンジンとわかるけど、角が取れて丸くなっている。

スプーンですくっていただきま~す

 それではスプーンですくって、いただきま~す……。

旨いじゃ (゚д゚lll) ないッスカ!!

 口に入れた瞬間は、従来の「カレーライス」と「東村山黒焼そばソース」ががっぷり四つでお互いの味を主張しているんだけど、口の中ですぐになじんで旨さとなって調和していく感じ。旨いなぁ。これがもう二度と食べられなくなっちゃうんだなぁ。

この場所に「グリム館」があったこと、私は忘れない

 食べ終えて、東村山駅に向かう途中、振り返ってみた。当たり前だが、「グリム館」はまだある。でも12月30日を過ぎると、オレンジ色の窓枠も「グリム館」と書かれた看板も、たくさんのメニューが紹介されているショーケースも消えてしまうだろうな。そして、消えた姿が日常となって、また「当たり前」になっていくんだろうな。
 39年もこの場所に存在していたというのに、人間の記憶は残酷で数カ月と経たないうちに、忘れてしまう。新しいお店が入って、看板が変われば、その忘れるスピードはさらに速まるだろう。
 でも私は忘れないよ。この場所にホッとできる空間があったことを。美味しい料理を出すお店があったことを。そのお店の名が「グリム館」だったことを。

 関係者の皆さん、39年間、ご苦労様でした。そしてありがとうございました。




【DATA】
住所:東村山市本町2-3 伊わ多ビル2階
電話:042-395-9417
営業時間:午前11時~午後11時





★お店や料理に関する記述は、訪問時における管理人・マサ本人の主観によるものであり、誰が行っても同じ印象を抱くとは限りません。またお店のDATAは取材当時のモノであり、変わっている可能性があります。



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はじめまして。
2008年までの10年ほど東村山に住んでおりまして、友人が住んでいたことからそれ以前から訪れる機会が多く、グリム館にも幾度となく足を運んでいました。
別の場所に引っ越してからは訪れることもなくなってしまいましたが、その後もときおりGoogleストリートビューで様子を確認しては、あゆみブックスがなくなっていることにショックを受けたりしていました。
先ほど本当に久々に現在どうなっているだろうと見てみたところ、グリム館がない・・・今さらながら驚いて調べたところこちらのブログを拝見し、通っていたあの場所に残っていないことは残念ですが、小川で営業続けられているとのことで一安心しました。
他の記事なども調べてみると現在のご主人が先代から引き継いだとのことなので、その辺の関係で小川店のみになったのかもしれないですね。
これまでのところ機会に恵まれませんが、いつかもう一度行きたいお店として私の中ではずっと残っています。
[ 2022/03/12 02:25 ] [ 編集 ]
通りすがりさんへ
コメントありがとうございます。
閉店してもう4年になるんですね。早いものです。
私自身、このお店のこと、スッカリ忘れていました。
39年も頑張ってきたお店なのに、人の記憶は儚いものですね。
だからこそ、こういうブログ記事が大切なのかなと思ったりもします。
私も機会があれば小川店に行ってみようと思います。




[ 2022/03/15 05:54 ] [ 編集 ]
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プロフィール

マサ@東村山

Author:マサ@東村山
マサ@東村山

2000年 結婚を機に東村山市に移り住む。

2004年11月 地元で食べ歩く楽しさに目覚め、ブログ「東村山グルメ日記」を書き始める。

2007年 転職を機にもう1つのブログ「好きになろうよ!東村山」を書き始める。

2010年11月 「東村山グルメ日記」のアクセス数が400万を超える。

2011年7月 さらなるバージョンアップを目指してブログを移転。

趣味は地元の食べ歩きと映画鑑賞。家族はカミさんと1男1女。アル・パチーノのようなカッコいい中年を目指す59歳。

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