このところ、東村山市内のうどん店は減り続けている。つい先日も西武遊園地駅近くにある武蔵野うどんのお店
「宅部うどん」が2月で閉店してしまったことを確認したばかりだ。
このまま個人経営のうどん店は減り続けて、東村山市のうどん店は
「久兵衛屋」と
「丸亀製麺」だけになってしまうのだろうか?……そんな暗い気持ちになりかけていた私のもとに、ある情報が届いた。
秋津町に新しくうどん店がオープンしたというのだ。
これは早速、確認しに行かなきゃと、私は所沢街道から旧所沢街道に入り、所沢方面に向かってテクテク。情報によると、所沢駅行きの「柳瀬橋」のバス停近くにあると言うのだが……。

おっ、バス停近くの一軒家に幟が立っている。ひょっとして店舗ではなく、自宅系なの?

近づいてみると、やっぱりどう見ても普通の一軒家だ。で、玄関に「うどん」と書かれた暖簾が出ている。

メニューは「肉汁うどん」(600円)と「冷しうどん」(400円)の2種類。シンプルでいいねぇ。でもなぜか、手作りの「フルーツパウンドケーキ」(100円)があるんだよね。うどんのお店でパウンドケーキねぇ。うーん、どういうことだろう?

「うどん」の暖簾の向こうは、普通の家の玄関。だから靴を脱いで上がるようになっている。
店名紹介が遅れたけど、このお店は
「輝恵(きえ)」という。玄関を上がると、普通に廊下があり、居間の部分に客席が置かれている。もう閉店しまったが、青葉町にあった自宅系のうどん店
「和こう」に似ている。
すでに先客が3人。4月にオープンしたというから、まだそんなに日が経ってないハズだが、人気があるみたいだ。
席に座ると、私は「肉汁うどん」をお願いした。

待っていると、まずは小鉢が2品運ばれて来た。冷奴ともずくだ。暑かったから、こういう小鉢はうれしいなぁ。

しばらくして、メインの肉汁うどんが登場! 見た瞬間、私は驚いたよ。

だって、うどんはこんな感じだよ。短くて、厚さも幅もバラバラ。ここまで不ぞろいのうどんは、あまりお目にかかったことがない。

そして茹で上がったばかりのうどんは、艶っぽく光を反射させるのだが、このうどんは表面がごわごわしているせいか、ひかりが乱反射して艶やかさがあまり感じられない。

うどんと一緒にかき揚げと茹でたほうれん草、そして刻みネギが添えられている。

驚いたのは、うどんだけではない。肉汁もこれほど真っ黒なのは初めてかも。
しかも肉は角煮。それもゴロゴロ入っている。

ちょっと気になるから、肉だけ先にいただいてみるかな……。
旨いッO(≧∇≦)O!!! まさに角煮。柔らかくて超旨い。何か贅沢な肉汁だなぁ(笑)。

では、うどんを浸していただくとしますかね。おおっ、うどんがこんなに染まっちゃうんだ。これって相当濃いってことなのかなぁ。とにかく食べてみますか。ズズッ……。
旨いねぇ(´ ▽`).。o♪♪ ちょっとうどんのあの染まり方に少しビビッたけど、味はそれほど濃くはない。角煮が入っているせいか、甘辛いつゆを想像してしまいがちだけど、やや酸味があって普通のうどんつゆっぽい。
うどんは不ぞろいな分、食感が楽しくてついつい噛みしめてしまう。この素朴なうどんの味わい、うどんじゃない何かに似てるなぁ……そうだ、すいとんに近い気がする。武蔵野うどんとは違う趣だけど、その昔、各家庭で打って食べていたという頃のうどんは、ひょっとしたらこんな感じだったかもしれない。
店名の
「輝恵(きえ)」は人の名前のようにも見えるが、部屋に飾られていた調理師免許証を見ると、「輝」という文字は使われているものの、ご主人の名前ではないようだ。確認はしていないけど、ひょっとしたら、奥さんの名前に「恵」が付いていて、ご主人がうどん担当、奥さんが手作りケーキを担当しているのかもしれない。
今度行ったら、店名の由来を確認してみようかな。
帰り際、ご主人がわざわざ見送ってくれた。
「7月から夜も営業しようと思っているんです。うどん以外のメニューも出すつもりです」 そういうことであれば、今度は7月以降に、夜に行ってみようかな。
【DATA】住所:東村山市秋津町3-22-1
営業時間:正午~午後2時
定休日:火曜
駐車場:2台分あり
★お店や料理に関する記述は、訪問時における管理人・マサ本人の主観によるものであり、誰が行っても同じ印象を抱くとは限りません。またお店のDATAは取材当時のモノであり、変わっている可能性があります。