「カツ丼」と言うと、皆さんはどんなモノをイメージしますか?

これは久米川駅南口にあるとんかつ店
「かつ一」の「かつ重」。

そしてこれは鷹の道沿いにある本町の中華料理店
「二代目こたか」の「カツ丼」。
この2つのように、揚げたてのトンカツを玉子でとじてご飯に乗っけるスタイルが、ほぼ全国共通の「カツ丼」のイメージだと思う。
私もそう思って育って来た。
そんな私が、まさにディープインパクトと言っていいほどの衝撃を受けたのが、このカツ丼だ。

青葉町商店街の入り口近くにあるそば屋
「滝乃家」の「ソースカツ丼」だ。これを「第2のカツ丼」とすると、「こんなカツ丼もあったのか」と驚いた「第3のカツ丼」がコレだ。
「八海食堂」の「新潟タレカツ丼」だ。一見すると、ソースカツ丼みたいなのだが、違うのは天丼のように、トンカツにもご飯にもタレがかかっていることだ。
ひと口に「カツ丼」と言っても、全国にはいろんなタイプのカツ丼があるもんなんだね。
とは言っても、タイプとしてはこの3つぐらいだろうと思っていたのだが、実は東村山市には「第4のカツ丼」を出すお店があったんですよね。

それが今回紹介する、グリーンタウン美住のそばにある居酒屋
「川島屋」だ。

このお店は長野県松本市のB級グルメである「山賊焼」をウリにしているのだが、実はもう1つの信州名物である「カツ丼」もウリなのだ。これがただの「カツ丼」じゃないんだなぁ。
メニューの下にカッコ書きしてあるけど、
ソース煮玉子とじなんですよ。トンカツをソースで煮て玉子でとじるんですよ。ちょっとどんな味か、想像できますか?
私は「カツ丼」(780円)を頼もうと思ったんだけど、店長さんに話を聞くと「別皿で頼む人の方が多い」と言うので、丼に乗せず、別皿でお願いしてみた。
「これから仕込んで揚げるから、ちょっと時間がかかるので、待っている間、これでも食べていてください」と、店長さんがポテトサラダを出してくれた。
うれしいけど、何だか申し訳ないなぁと思った私は、ふと、あることを思い出した。
このお店、もともとは酒屋さんで、今もお酒を売っているんだよね。カウンター席から後ろを振り返ると……。

お酒の入った冷蔵庫があり、上に「店内用」と「お持ち帰り用」という貼り紙がしてある。
私は「店内用」の扉を開けると、キリンラガーの瓶ビールを取り出し、ランチタイムだけど、ポテトサラダをツマミに飲むことにした。

いやあ、久しぶりに飲むキリンラガーは旨いねぇ。サッポロやアサヒの瓶ビールではなく、キリンの瓶ビールを私が選んだから、店長さんはわざわざキリンのグラスを出してくれたみたい。こういう何気ないサービスってうれしいなぁ。
ポテトサラダも何気に旨いんだよね。

「これは定食に付くんですけど、よかったらツマミにどうぞ」と店長さんは今度は柴漬けを出してくれた。

そしてさらに「これもどうぞ」と鳥皮ポン酢まで出してくれた。いやいや、そんなにツマミを出されたら、すぐにビールが空いちゃうよ(笑)。

少しほろ酔いになったところで、メインのソースカツ煮玉子とじが出てきた。

これがソースカツ煮玉子とじ。全体的にダークブラウンになっているのは、ソースのせいだろうな。

1切れを箸で持って断面を見ると、コロモにも肉にもソースが染みているのがわかる。ではいただいてみますか……。
旨いねぇ(´ ▽`).。o♪♪ 先に甘さが来て、酸味とちょっとしたスパイシーさが後から来る感じ。
「ソースで煮るとこんな味になるんだ」と感心していると、「いえ、それはソースをベースにした、タレで煮ているんです」と店長さん。そうなんだ。ソースをそのまんま使っているワケじゃないんだ。面白いねぇ。
今回は別皿にしたから、お皿にソースたれを残すことになったけど、丼に乗っける「カツ丼」にすれば、このソースたれがご飯に染みて、余すことなく食べることができる。しまったなぁ、「カツ丼」にするべきだったか。
別皿で頼む人が多いのは、ひょっとしたらツマミとして食べたい人が多いのかもしれないなぁ。
それにしても、1つの街にこれだけのタイプの違うカツ丼が存在するのは珍しいんじゃないかなぁ。今回紹介したカツ丼を食べ比べてみると面白いですよ、きっと。
【DATA】住所:東村山市美住町1-6-14
電話:042-391-1683
営業時間:午前11時~午後2時/午後4時30分~10時
定休日:水曜
お店について詳しくはこちら★お店や料理に関する記述は、訪問時における管理人・マサ本人の主観によるものであり、誰が行っても同じ印象を抱くとは限りません。またお店のDATAは取材当時のモノであり、変わっている可能性があります。